与えれられた所有物
ムウ
雨粒が地面を強く叩く その先に希望がなかったとしても
名も知らない鳥が鳴き続けている その先の静寂にかき消されても
藻掻き足掻いて浮き上がろうとする青年 無常に酸素は泡と化しても
この世に形を得たモノすべてには 時は等しく分け与えられている
その有限な所有物は己の意思とは無関係に エネルギーのように消費続けている
やりきれない思いに重ねて 悔しさや妬みを混ぜ合わせても
時は等しく消費され続けている 声を枯らし声なき声にしたとしても
時は止まることを知らない 方向を知らない 言葉を知らない
自らも止めることをできはしない それを定めだというのであれば
進むほか手段などありはしないのかもしれない
行きついた 答えに背を向けて悶々と時に慰められ 時に泣き
時に翻弄され 迷子になっても 進んでいることに変わりはしないのだから
与えられる時は降り積もり
消費されるときもまた塵つもる
どこに視線を向けるのも 何も誤りではないのかもしれない