ひだかたけし

今夜、懐かしく
灯が点り
生まれたばかりの感情が
せわしくせつなく
揺れている
(遠い故郷を追いかけた
夢見の中に居るように
深い夜は透明な
滴に濡れて更けていく)

 心の底の永劫が
 いつしか生きた感触が
 点る灯火にせつなだけ
 予感に充ちてよみがえり

今夜、向かいの
灯が点り
ゆっくり動く人影が
わたしの奥処の祭壇に
確かな孤独を刻んでいく











自由詩Copyright ひだかたけし 2021-07-03 22:58:36
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