シンメトリーな休暇
はだいろ

今週の月曜日、有給休暇
消化しなければならず、でも金がなく、
することもなかなか思いつかないので仕方なく、
いつものパターンを繰り返す

朝、銭湯へ行き、馴染みのカフェに行き、
新宿へ行き、映画を見て、
スパイスカレーを食べて、
映画を見て、
いつもだとそのあと、女の子と遊ぶのだけど、
お金がなく、本当はあるんだろうけれど、
なんとなく気持ちが乗らず、
ラブホだかビジホだかわからないホテルに入って、
ベッドに寝転んでnetflixを見る。


@観た映画
「淀川アジール」
ホームレスの方の、ドキュメント。
あんまり大阪の方の、音楽とか絵とかもセンスがよくわからなかった。
でもまあ、それなりに、それなりだった。

「戦場のメリークリスマス」
大島渚って、初めて観た。
やっぱり50を過ぎると、観る前から、自分にとって、
どういう映画かが想像できてしまい、これもそうだった。
大衆的になろうとして、失敗した作品だと思う。
大衆を馬鹿にしてはいけないのだ。
でもまあ、それなりに、それなりだった。


@観たnetflix
「幸せの黄色いハンカチ」
昔観たけれど、観てみたら、とても良かった。
これが、大衆映画というものだ。
立派である。
だけど、いわゆるポリティカルコレクトで、
つまらない引っ掛かりを、自分で乗り越える作業がこれも必要。
(例えば無免許運転とか、不合理な殺人とか。
いや、これで良いのだけれど)
それぞれに、乗り越えていくしかないのだと思う。

「君はなぜ総理大臣になれないのか」
デイユースの時間ギリギリまでだったけれど、
これは息をのむほど面白かった。
あの狭いマンション?アパート?でのつつましい食事には、
心を打たれた。
政治って難しいなあ。ひとりひとりのことなんだけどもなあ。
どうして、ひとりひとりが、
ひとりひとりになりきれないのだろう、いつも、いつも、
この世界は。


午前と午後の、
そんなシンメトリーな休日だった。






自由詩 シンメトリーな休暇 Copyright はだいろ 2021-07-01 21:14:29
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