舌を出した犬が、午前五時に吠える
竜門勇気


北京ダックは最大の公約数であって
恥を知らない奴隷に好まれる
パーマを当てて、月夜に公園で泣いている奴隷に
さよなら、どうも居心地が悪いぜ

去るためにやらなきゃいけないことを
鞄の中で開放せよ
仏頂面のハイ・ファンタジー
固くて鈍い vs 根こそぎぶっ飛ばす
仏頂面のサイ・ファイ
白くて甘い vs 白くて苦い

君ん部屋で犬吠えてる
君んちで犬吠えてる
舌を出した犬。いただろ?
「このシャツ、相当俺は気に入ったぜ!」
「でも次買ってくるときは帰り道でブレーキ踏むのやめろよ」
「赤信号でも止まるんじゃねえ。ガソリンはタバコに火をつけながら入れろよ」
愛されるって素晴らしいことさ

くたびれた窓があったら
すべての罪を許しましょう
神様がいたら僕の家を見てこう言うだろう
逆の手でもやってみたら?
神様がいつも僕を見てるならこう言うかもしれない
北京ダックが喋ったとしたら
やっぱり同じように言うに違いない

工場の煙が町にまじる
ほんの少しの排斥
ねじれて、合わさって、つながった異物
奴隷の指輪
しわがれた声
一日の終わりに明日の話をする?
なんの意味があってそんなことを。
確信のある矛盾に限って誰にも話せないようになってる
爆弾食べる?いいえ。
高速道路の上ではみなナイフを持った光線だ
爆弾好き?まあね。

君ん部屋で犬吠えてる
君んちで犬吠えてる
舌を出した犬。いただろ?
「腹ペコで死にそうだ!」
「腹ペコで死にそうで悲しいぜ!」
「どうして、成長をよろこんでくれないの?」
愛するって素晴らしいことさ


自由詩 舌を出した犬が、午前五時に吠える Copyright 竜門勇気 2021-06-29 11:18:05
notebook Home