The Laughing Man
TAT
たまにとても「笑い男」が読みたくなる
どうか願わくばこの詩は
あの小説を読んでから読んでほしい
何故というと
僕は三流なんだ
名作のインスピレーションの波動でも借りないと誰かに何かを伝え得るかもしれない詩の紛い物の一編すらろくに編めない三流なんだ
これは本当に
既に失なわれたものは
いつも美しい
僕たちはいつもそれらを無闇に取り戻そうとして過ちを犯す世の中の過ちのほとんどはそうして起こると言っても
過言ではない
俺はストレートだから
誇らしく虹色の旗を掲げる彼等に
何故だか引け目を感じてしまうけれど
願わくば阿呆みたいにお酒でも呑んで
馬鹿みたいにトマトや西瓜の実り等を祝いつつ
舗道に四つん這いでゲロとか吐きたい
もうすぐ朝が来そうな冷たい都会の夜に
ぐらんぐらんのふらふらで
意味不明な主張を叫びながら
肩を組みつつ酔っ払うって
本当に素敵な事だ
そうした愚かな行いの
ひとつひとつを飲み込みながら
悔いながら
地面にガリガリと生爪を剥がしながら
それでも前へ
前へと
(何でって時間は何故か前方向にしか進んでくれないからだ)
とにかく前へと
進んできたんだろ
どうにか死なずにまだ生きてんだろ
なら生きてるだけで胸を張れ
そら今も
小気味良い音が冬の空を貫いて
君と僕が追うべき外野フライが
空を
空を