6月の命日
北井戸 あや子

幹線に沿い葬列は成る ハロー徒労の友よ
秘すれば花、望みはまだ叶わないから過ごす今日いくつ埋めたんだ?
腕とペンを質に入れどうにかここまで歩いてきた
「けれどみんないつかは死ぬ」
「あ、そう、それなら今死ねよ」
死を想うだけ、ただのそれだけ
見渡せる蟻地獄の中あなたは何故そんなふうに寝てる?
秘すれば花、きれいなまま終われた消えぬ色を埋めるのさ
太陽のせいだなんて茶番の幕を引き、生まれて埋まるその時には仕事くらい終わらせろよ
埋葬を果たせた今、煙草の一つでも焚いていい?
蛆の沸いた俺は家へ帰るだけ
今日も幹線を歩いている
秘すれば花、あなたが腕を引いた


自由詩 6月の命日 Copyright 北井戸 あや子 2021-06-27 17:07:10
notebook Home