くるしみ連盟
万願寺

面倒くさがればいいんだろうと投げやりに思っても、眠れるかどうかはきりんの首が長くなってしまった偶然と同じくらいきらめいている。眠れませんでした、って日記に書いたとしても、それでもじゃあいつかは寝ているはずだよねって賢い隣の家の子には見抜かれてしまう。そうです。私はたしかに多く眠っていて、それで、ぜんぜん眠れないことでくらくらとして、たくさん眠る時には世界そのものに左様ならとお辞儀をしなければいけないので、その子が言うことには、今度その時には白い旗を降ってくださいとのことでした。そうしたら見えるから、って、判るからって、私も夢の向こうがわからあなたをきっと見つけるからって、約束はできないのに真実みたいに言ってしまっていた。眠ったり眠らなかったり、忙しいこの体は怒られ役。みんなみんなだれかに痛い思いをさせられていて、私の眠れなさもだれかのなにかを削ってしまって、それでここに来るまでに汗がだらだらと地面に染みるほどに真夏の光線を45時間くらいかけて怒られてきた。それでも来た。来たのよわたし、ねえ、夢の中でも外でもいいから、あなたは青い旗をあげてくれるんだって、重大な告白みたいに言っていたよね。


自由詩 くるしみ連盟 Copyright 万願寺 2021-06-25 06:20:23
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