いのちには限りがある
こたきひろし

夢を見ている間はそれが夢だと誰も気づかない
いつだって覚めてはじめてそれが夢だったんだと気づくのだ
最初は良い夢から始まったはずなのにいつの間にか悪い夢に魘される事は度々あった

いのちには限りがある
限りあるいのちの間に、何度、夢の世界に迷い込めるかそれは数えられない
夢はみな儚くて見ても直ぐに忘れてしまうからだ

彼が生まれて初めて見た夢は遥か彼方の夢の藻屑なのだ

きりきりと頭が痛む
きりきりと心も痛む

生きている間、生きている限り
痛みから解放されない

逃れるすべはないだろう

神が人間を創る段階で手抜きしたからだ
精巧に精緻に創らなかったからだ

ほんの暇つぶし
遊び半分に創ったからだ


自由詩 いのちには限りがある Copyright こたきひろし 2021-06-22 06:15:56
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