sunny酒浸り
竜門勇気


あぁ俺の
黒目をずっと見てて
もしその中に
魚が見えたら教えて

白いマグカップ
向こうのテーブルにあるやつ
その中に
星があったら教えて

月夜の夜覚えてる?
俺が車ぶっ壊して歩いて帰った日
目をそらさないでくれ
最後まで聞いてくれそのまま
どこも見てないようでも
俺も君の目を見てる

もう俺が
嘘つくのに慣れたかい
夢で見たことと区別がつかないだけなんだよ
なにか言いたそうにきょろきょろしてたの
現実を掴もうとうろたえてただけなんだ

白いマグカップ
向こうのテーブルにあるやつ
いいだろ
樹脂だから割れない

都合のいい場所だけに
座り込んで酒を飲んでた
例えば
ぶっ倒れた本棚を引き起こして
割れた酒瓶に毛布をかぶせたり
壊れた路地裏みたいな部屋は
気高い果物のように甘い

sunny酒浸り
酒浸りさ
幹線道路をガキどもが
バイクに乗って学校へ向かう
桜の木が青々と茂る頃
あの花が嫌いだったことを思い出す

sunny酒浸り
叫び足りない
お前らなんて俺の抜け殻だぜ!
自分の声が音楽に聞こえるから
何故泣いてるのかなんて気にならなかった

生き方に合わせて
見たい夢さえ変えてしまった
時計が示してるものを
自由にできるようになった
部屋の端からゆっくり黴びていく
肖像画を揺らす死んだ手

やけくそんなってsunny
腹立ち紛れのsunny
ぶっ壊れろクソ本棚
くたばれガキども
sunny酒浸り
sunny酒浸り

過去に閉じ込められた月
睫毛の悲しみを照らすsunny


自由詩 sunny酒浸り Copyright 竜門勇気 2021-06-21 10:40:14
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