彫刻と日曜日
番田 

美術館で久しぶりに彫刻作品を見に行ってきた。オランダ人作家の大規模な展覧会だった。作品数は30点ほどではあったが、しかし、ほとんどが巨大な彫刻作品だった。作品の中心は、粘土のような感覚のするブロンズの彫刻作品なのである。彼の作品は展示空間を自分なりに構成することで頭の中を垣間見せようとする、建築の要素のあるインスタレーションなのだとされている。会場は確かに、空間が薄いビニールによって、ぼんやりとだが、仕切られていた。その中に巨大な頭部などの作品が製作途中でなげされたかのように置いてあり、荒削りではあったが、インパクトがあった。なんとなく見ていると削り取られたかのように見える部分が有機的に溶け出しているかのようにも見えたが、多くは作業工程で残されただけの跡であり、偶然、そう見えただけのようだった。


鉛筆が床に並べられただけの作品もあったが、あえて構成する部分を鉛筆として見せることで、幾何学的に表現された全体との不思議な調和が感じられ、面白いと思った。帰りはドトールで僕は、アイスミルクティーを飲んだ。虫歯を最近気にしているので、砂糖は、我慢して入れなかった。



散文(批評随筆小説等) 彫刻と日曜日 Copyright 番田  2021-06-21 01:40:31
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