パレイド
山下ヤモリ

どんなにどんなに塗りつぶしても
消えてくれない自分があって
どこまでどこまで
心を雑音に曝して生きていくのだろう

何かを考えようとしても
別の思考がどんどん飛び出て
音量を上げてみたけれど
鳴り響くのは劣等感で
不正解では答えにたどり着けないんだ

何にもなれず
心は間に合わなくなっていく

どん底にいる人間が求めているのは
救いや希望じゃなくて
どん底なんだ

不正解に対する答えはいつだって不正解で
正解なんかじゃない

ハタタマヤ
ピクタママ

パレイドがやってくる
愛しきメロディーを携えて

救いはないかもしれないけれど
そのメロディーに掬われる気持ちが
確かにそこに在って
あなたの不正解な街でも
そんなメロディーが流れていてほしい


自由詩 パレイド Copyright 山下ヤモリ 2021-06-08 11:41:14
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