にんにく
◇レキ

手塩にかけた
年代物の可能性は腐った

絶望の底には
サンタクロースの死骸の山が

未来の椅子には
代わりにごみが置かれた

苦しみは忘れられ
空白にただ生が浮いていた

残った諦め達すら次々死んで
ノイズのような日々だけがあった





助け出された
蒙昧と溺れていた

素のまま預けた
体は溶けた

許された
この先の心の休暇

にんにくの
薄紫の花が咲いた


自由詩 にんにく Copyright ◇レキ 2021-06-07 01:24:57
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