持続
ひだかたけし

男の人の後ろ背が
黒く浮き立つ丑三つ時
ラジカセから音楽が
プレイボタンを止めたまま
いつまでも鳴り続ける
執拗なその持続
一種異様な気を孕み
やがて大きな亀裂へと
その相貌を変えていく

あゝわたくしは今剥き出しの
時空に晒され戦き震える
ラジカセはいつしか消え
音楽は鳴り続け

男の人の後ろ背が
黒く浮き立つ丑三つ時
音源を欠いた音楽が
いつまでもいつまでも
暗い時空に鳴り続ける



 









自由詩 持続 Copyright ひだかたけし 2021-06-05 20:33:57
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