おいで、ぼくのかわいい憂鬱
竜門勇気


満足なんて私は知らなかったわ
満足なんて僕も知らなかった
メールサービス、種が厄介な庭の花
酒がこれ以上なく注がれたコップ
おいで、おいで
僕の可愛い憂鬱

また指に刺さったよ
細かく裂けた存在の端っこ
こんなボロボロの机なんか捨てるべき
そうだろ
今日の日記は1万字を超えた
呪詛は8000字で残りはあとはちび野郎の悪口

満足について
話し合うべきだろう
僕は満足なんてただの一度ももらわなかった
君はたくさん満足を持ってて
残念だけど
僕に光を当ててできた影が君を満たした
まともな精神科の医者が
助けになるかもしれない
宝くじが当たるかもしれない、ってぐらいに確実に
買わずにいたくじが幸運をもたらす、ってぐらいは奇跡的に

ざけんじゃねえ
また指に刺さった
無限に分岐するフラクタルな棘
老兵が打つ弾丸が
過去も未来も平等に傷つける
無限の分岐に
有限は擦り切れる

おいで、ぼくのかわいい憂鬱
あたまをなでて
甘い菓子をほしいだけささげて
おいで、ぼくのかわいい憂鬱
ひとりぼっちで作る
クソみたいな不愉快を根こそぎぶち壊したい

おいで
ぼくのかわいいゆううつ


自由詩 おいで、ぼくのかわいい憂鬱 Copyright 竜門勇気 2021-05-24 03:34:01
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