夢と夜風と雪山と
ひだかたけし

夜風がすぅすぅ網戸から
入って来ては肌を撫でる
その微妙な心地よさに
うっとりしている午前三時、
電車は大通りを走り雪山へ
凍り付くよな身震いを
誘いぐんぐん進んで行く

鈍色空を背景に
白銀の峰が連なって
その威容を放っている
私は暗い車道を
猛スピードで進む電車の中
只只圧倒され微動だにせず
ゆっくり移動していく白銀の
峰を見つめ続けている

(夜風がゆるゆる肌を撫で
意識は半分目覚めながら
半分の意識は夢見ている
そんな不思議な状態が
圧倒的な畏怖の念に包まれて
柔らかな心地よさに包まれて)

やがて電車は猛スピードで
暗い公道を走り続け
白銀に輝く巨大な山塊を
ゆっくりゆっくり後にして
緩やかに吹く風とともに
跡形もなく消え去る










自由詩 夢と夜風と雪山と Copyright ひだかたけし 2021-05-17 22:00:24縦
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