あれから
静
どんな言葉を繕えば
この染みを落とせるのか
見つけては溶けていく答えに
逃げて楽になれない苛立ちに
言葉を喪うような記憶と
流されていく筈の時間が
淀みのようにまとわっては
虚しい優しさを生み出して
夢に影を置き去りにしてきた
想うことから逃れるために
歩きながらあの夏の匂いと
触れあう袖に振り向きながら
弱くなったと自分でも思う
思わせ振りな台詞だけ上手くなり
知ったような口振りをする
あの時の気持ちを誤魔化す為に
自由詩
あれから
Copyright
静
2021-05-16 01:31:31