雑草取り
紀ノ川つかさ
熱い心を持った人々が
今日も花壇の雑草をむしるのだ
憎い 憎いよ 雑草が
土地の養分を勝手に吸って
土地をだめにしてしまう
憎い 憎いよ 雑草が
汗を流し 声をかけ合い
一生懸命 むしるのだ
憎い 憎いよ 雑草が
しかしその花壇には
花の種は一粒も植わっていない
何も 何も 生えてこない
それを薄々知ってはいるが
見ないふり 決して口に出さない
何も 何も 生えてこない
心がバラバラになるのが怖いから
憎しみだけで連帯する
憎い 憎いよ 雑草が!
憎い 憎いよ 雑草が!
花壇にはいつまでも
何も生えてこない
花も咲かない
でも雑草取りは
今日も続く