救急車
ホカチャン

散歩の帰り道
「ピーコ!ピーコ!┅┅」
救急車の音が聴こえてくる
「ピーコ!ピーコ!┅」の音が聴こえてくると
地域に緊張が走る
「だれだろう?だれだろう?┅」
どんどんこっちの方へ近づいてくる
救急車が姿を現したと思ったら
目の前を通り過ぎて近くで止まった
先日末期ガンと宣告された一人暮らしのおばあさんだ
行ってみると
酸素マスクをかけられ意識がないような様子で
担架で運ばれて救急車に乗せられた
声をかけようと一瞬思ったが
声をかけられなかった
こうなったら見守るしかない
入院するともうだれも会えなくなる
そのまま亡くなると
永久に会えない
まことにコロナ下の淋しい最期だ
そして
今日の昼前自治会長より
悲しい放送があった


自由詩 救急車 Copyright ホカチャン 2021-05-11 07:16:31
notebook Home