参列
はるな


ともかく私たちは辿りつき列にならんだ
色水みたいなコーヒー 配られるチケット(権利と義務が 印刷されている)
視線は 端末に通知される
皮膚は薄くなる 誰にも触れなくなる そのことも忘れられる
風景は 現実として処理されていく
人々は (にもかかわらず) 消費されるのをきらって
長い 列を つくるしかなかった
「空欄に番号を書き入れてください」 私の番号は何? でもあなたは行ってしまった 名前だけ置いていった 何人もの人間に 呼ばれ、抱かれ、踏みしだかれた名前だ



自由詩 参列 Copyright はるな 2021-04-27 09:36:54
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