核家族
たもつ



今日も俺は核家族のために働く
核家族を食わさなけらばならない
路頭に迷わせてはならない
俺はいとも簡単にスマイルを作り出し
その唇の端には
いつも核家族がぶら下がってる
連休は月並みにどこかに出かけ
連休はどこも混んでるね、と言って
月並みにどこにも出かけない
そして月並みということについて
俺と核家族は何も語らない
俺が仕事をしている間
核家族は握り、わたり、吐き、
触れたり、ふさがらなかったりしている
帰りのホームで電車を待っていると
右手も左手も既に核家族でいっぱいになってる
時々足元で小さな生き物の集団が死んでいるが
それは核家族ではないから
家長の俺は心配しなくても良い




自由詩 核家族 Copyright たもつ 2005-04-23 00:23:45
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