未詩集3
道草次郎
「作者の八重歯が見えたら刺して墓穴から青空を笑え」
海かしらん
森かしらん
鍵かしらん
蟻かしらん
雨かしらん
蟎かしらん
活字って
いったい何かしらん
ニヤリ
蟎は
ダニと読むらしいのです
詩の主眼
トンネル、あ。
「君の書くものからは浅薄さが滲み出ている、ありがとう、それが幾つかある望みの一つです」
上下逆さまの
世界で
逆立ちして歩いた
世界は
逆さまではなくなった
左右逆さまの
世界で
鏡の間に閉じ込められた
世界は
逆さまではなくなった
どこか殿さまの
世界で
なぜか殿さまになった
あれ
こりゃどうにも音に引き摺られ
汗。
「逆立ちについての考察はいずこへ、エーテルがすき」
いささか
いつもと違う見え方はする
頭に血が昇ってるのかな
いや
それは降っているのかな
よく
分からないや
重力のカテゴリの中
逆さまのものは
正しくうろたえる
見よ
水時計をひっくり返せば
かの色水は
とても素直に
エーテルを泳ぐ
「とある駐車場で彼はあの時確かに神主宰の舞台の演者だった、でも観客ゼロ」
トマトとりんごビン2
フルーツミックス2
ふりかけ〈小魚とカツオ〉黄色い箱のりいり
ごはんに混ぜるふりかけのもと〈ピンク〉
ごはんのもととレバーたい鶏肉〈 3種類〉ピンク
ベビーうどん〈乾燥 〉
ごはんレトルト4つぐらい
マスクやすいの
だね、あい買ってくるからまってて
エアコン付けたままでいいかな?
あ、ますくわすれた
「ところで原初的な気持ちをつきつめて行った先に尿意があったのですが」
ぬおぅ
どうにも
まずいんだ
どんどんどんどんになる
そうして
こわいこと
こわいことだ
おしっこがしたい
もう
もれそう
ずっと
おしっこだった
せかいは
せかいてきな
にょういに
あるいは
かんげんされる
ぬおぅ