旅の終りに 笑うか泣くか
余韻

周回遅れのランナーは諦めた目をしてると思うかい?
痩せ細った あの足がどれだけの苦難を蹴り上げてきたのか知ってるかい?
旅に終りがあるとは限らない 彼は何を賭けたのだろう?
走り出した理由を 今更 聞けないから 彼のまだ鋭い目を その理由にしてみる

目には見えないのさ いばらの道とは そんなに単純じゃないんだってさ
でも彼も僕も至ってシンプルな人間の作られ方
いわばパン食い競争 目の前にぶら下げられたパンを 必死に ただただ必死だ

手遅れの人生はきっとある けれど 該当者は発表されない
ということはこういうことじゃないか 悟ったり開き直ることより
自分のこの足を信じてみるべきじゃないか

この旅にも終わりはあるんだろう 僕は何処を目指してるんだろう?
走り出した理由なんて 今更 分からないから 僕のこの鋭い目を その理由にしてくれ


自由詩 旅の終りに 笑うか泣くか Copyright 余韻 2021-04-07 20:35:47
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