十四歳で死んでいったやつらに
ホロウ・シカエルボク
十四歳のある日
ぼくは
あらゆるものが
きっとこのままなのだ、ということに
気がついた
ひとは、ある種の
限られたコミュニテイは
このまま
もう
どこにも
行くことはないのだと
そして
その
突然の認識は
やはり
正しかった
十四歳で
死んでいったやつらは
おそらく
そんな風に
気が
ついてしまったのだ
ぼくは
「いやだなぁ、くだらないなぁ」と
思いつつも
だらだらと
生きていた
それは
書くことが
たくさん
あったからで
十四歳で
死んでいったやつら
おまえたちは利口だったよ
ウンザリするような
毎日に
手を付けることなく
無邪気に楽しんだだけで
人生の
幕を引いた
何十年も
何十年も
過ぎて
ぼくは
相変わらず
いやだなぁ
くだらないなぁ
と
思いつつ
詩を書いて
暮らしてる
そのほかの諸々は
わりと
どうでもいい
だけど
十四歳で死んでいったやつらよ
五十歳は
十四歳よりも
ずっと
楽しい
それは
確かなことだ
ぼくは
十四歳の
壁を
越えたかった
だから
歳を
取るだけ取ったのだ
寝床で歯ぎしりをしながら
煙草で
自分の手を焼きながら
十四歳で
死んでいったやつら
おまえたちは
とっても
利口だったよ