無音の夜
ひだかたけし
無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る
「寂しいのか」と尋ねると
鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる
と、
足許でカタカタ鳴り響く骨壺
不意に亀裂走らせ粉々に
沈黙のうちに
破片呑み込まれ
流砂となりさらさらと
既に跡形もなく消え去って
自由詩
無音の夜
Copyright
ひだかたけし
2021-04-06 20:07:27
縦