憎しみという怪物
無限上昇のカノン
ある日のディナーは
皿に憎しみが盛られていた
ナイフとフォークを器用に使って
切り分けてみる
憎しみは固く怖気がするような酷い臭い
一切れ口に運ぶと毒の味がした
私は一切れ分の怨念となり
全ての憎しみを食べると
魔になった
憎しみに満たされて復讐を試みる
復讐を遂げても憎しみは消えない
新たな獲物を探して
この世界を歩く
臭気が漂い誰もが私を避けていく
私は既に人ではない
憎しみに支配された怪物なのだ
自由詩
憎しみという怪物
Copyright
無限上昇のカノン
2021-03-31 20:34:54