落差
ひだかたけし
怒り
ドキツイ
バイクの音が
ウォンウォン
流れ込んで遠去かる
この白い小部屋に
じっと居る
私の心は鉛色
無限の彼方へ旅に出る
貴女に気付く余裕もなく
独りカッカと燃えている
渦巻く不安と恐怖に呑まれ
また近づくバイクの音に
心底深くイラつきながら
(あゝ貴女はもう遠い人
異界の扉を開け放ち
悠然と独り憩ってる
愛のしとねを押し広げ
神々の訪れを待ち受けて)
爆音放つ
バイクの音が
この静夜を壊していき
心象鉛のこの俺には
もう何処にも逃げ場はない
もう何処にも逃げ場はない