一人の女の形をした愛
viraj

ところでどんな声が神に届くかしってるかい。



どんな人が天国に入れるか。



きみは本当に一生懸命あの時、生きてたね。



あのとき、君は言ったね。



一生懸命生きてる人って少ないって。



今ふと気づいた。



そういった 君は本当に生きようとしてたんだなって。



君は言った。



「恋愛ってこんなにつらいんだね。生きるってこんなにつらいんだね。」と。



私の脳裏に君の言葉が木霊した。



「Tさんは、愛してるっていってくれたもん。」



今は娼婦に倫落し、無数の精液を浴びた君も、またありふれた雌に過ぎなかったのかもしれない。



僕たちは、限りなく真実の愛に近づこうとして、完全に愛にはなれず、すれ違った



不幸な双子の魂。



あたかも、激流が二つの流れに裂かれるように、



自我という障害物に邪魔されて。



ここまで書いて、僕はふと思い出した。



覚者が、神は人の心に宿ることを始めて悟った時、歓喜が止まらなかったことを。



天国は、人の心の中にあるんだね。




自由詩 一人の女の形をした愛 Copyright viraj 2021-03-29 10:09:28
notebook Home 戻る