ついーと小詩集7
道草次郎
「ものがたり」
あることが
あるようになったのを
あらしめたものが
なくなって
はじめてあることは
あることの
ありがたいことを
しったのだった
「おしり」
おしりがかゆい
かく
おしりを
かく
そんなことも
いきてこそ
「はな」
はなをかむ
はなをかう
はながある
はなも
いそがしいもんだ
「うみ」
うみがあおいというけれど
うみのみずってとうめいだ
やーい
うみのうそつきやーい
「疑問」
やまがある
置換する
あるがやま
何で
いつも
やまばかりある
何で
あるはいつも
やま
としてあれないのだ
「おなら」
おならは
「お」と「な」と「ら」で出来ている
ちょっと
五十音表を想像してみて欲しい
「お」
「な」
「ら」
この三ヶ所に空洞があるでしょう?
つまり
「おなら」と書く時
おならは
「お」と「な」と「ら」以外のひらがなを置き去りにする
おならに
なんの特権があって
そんな大それた事ができるのか
それはたぶん
永遠の謎だ
「破裂音」
ぱーはやめとこう
ぴーと言ってみる
ぷーが面白い
ぺーはまあ許そう
ぽーも悪くない
とは言い条
破裂音は総じて優しいな
だから
破裂音は
残ったんだと思うよ
「綱渡り」
ゆーらゆら
ヒョイっときて
くるるん
で
また
ゆーらゆら