その夜見た夢のなかでは
こたきひろし

その夜見た夢のなかでは
私は終始眠っていた

死んだように
眠っていた

もしかしたら
眠るように
死んでいたのかも
知れない

ベッドはいつの間にか
凍結していて
私は気持ちよく
死んでいたのかも
知れない

そして夢の中では
もう一人の私が

眠り続けているとも
死んでいるとも
著しく判別のつかない私を

じっと上から見下ろしていた
じっと
冷たいさめた
眼で見下ろして

いたのかも
しれない


自由詩 その夜見た夢のなかでは Copyright こたきひろし 2021-03-23 23:42:38
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