理由などなく、欲望だけがある。
ホロウ・シカエルボク



夜は味気なく
だが
絶対的に


おれの残り時間を
砂時計の
ように
くっきりと表示する
嘘だろ
マジか
勘弁しろよ


詩を
書くときに
たとえばそれが
誰かへの揶揄とか
恨み言とか
あるいは
愛情とか
世間へのなんたらとか
政治家のどうたらとか


そんな次元の話なんかじゃない


思うに
おれは
カウンターを
欲しがっている
自分自身を
ぶっ飛ばすための


予測不可能な
フレーズ
術式
軌道
決定的な一打


それ以外のことは
おおむね
どうでもいい
おれにとって
関心のある
他人など
ほとんど居ない


意味がない


綺麗な話なんか
してもしょうがない
誰もがなるほどと
頷くような話なんか


おれは
カウンターを
欲しがっている
速くて、重い…
ヘビー級の一撃


そうでなければ
眠ることは
多分に
難しい


精神のスタミナは
出来る限り
消費した方がいい
また次
立ち上がるときに




もっと
強烈な一撃を
全身で喰らうために



自由詩 理由などなく、欲望だけがある。 Copyright ホロウ・シカエルボク 2021-03-22 23:27:31
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