あぶない橋の向こうには
こたきひろし

外は激しい雨と風の夜に
アパートの部屋の中はいつも通りの 私 一人でした。
殺風景な部屋の中には
ピンク色の電話機が畳の上に置いてあります。
殺風景な部屋の中に黒い電話機ではあまりにさびしいと感じる私が
そこに棲んでいたからです。

悪い夢を見ていたようです。
夢の中で
私はあぶない橋の上を歩こうとしてました。歩いて向こう側に渡ろうとしてました。

橋の下は
あぶない川が流れてました。

終始 橋と川が何で危ねーかを
納得のいくように説明してくれる
ナレーションは一切聞こえできませんでした。

なにぶん夢の中での話しですからね。
ごちゃごちゃと面倒臭い事は何もなかったんです。

ただただ
あぶない川の上には
あぶない橋があって
そこを渡ろうとしている私がいただけの夢でした。

夢は覚めました。

激しい雨と風が現実を支配してました。

たった
それだけの夢でした。

たったそれだけの夢でした。


自由詩 あぶない橋の向こうには Copyright こたきひろし 2021-03-20 00:01:06
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