sonnet
朧月夜

unfinished business.
わたしたちにはやりたりないことがいつでもあって、
それを、
閻魔大王が見守っている。

閻魔大王などと、たいそうなことを言ったものだと、
無限の興趣にふけるわたしが一人でもなくつぶやく。
時代ときはうつろいすぎていく。
それだけがわたしを残して。

ソネットなどと気取ることもなく、
わたしはいくばくかの形を必要としている。
unfinished business. やりとげ得なかったことをやりとげるために。

微笑みは風の彼方、どこにも見当たらず、
誰見守ることもなく、貝がらのように置きざられて、
わたしはそれを見ていましたか? 見ていませんでしたか?


自由詩 sonnet Copyright 朧月夜 2021-03-18 22:04:34
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