おはよう詩集
道草次郎

「おはよう雨さん」

細かな雨の

パラパラの

春の西風に煽られの

窓にカツカツの

それは

とてもとても

うつくしなじかん

ふふふ

半分ヤドカリ

半分孤独

まだ

未明のことでありました。



「栞」

絵本の柱に身をかくし
「狼だそー」っておどかそうとしたら
オナラでお返しされた

星、かな。

父はね いつでも童話の栞
それから
すこし短足なタヌキさんです



「宝石ぴりり」

指さされ
わんわん言われた
宝石ぴりり
春の朝



「しろくまさんのオマル」

しろくまさんの
オマルに跨り
ずんじゃかずんじゃか
君は揺れてる
ずんじゃかずんじゃか
ぼくも揺れてみる
ずんじゃかずんじゃか
ずんじゃかずんじゃか
ちっちも
楽しいのも
遠慮なく君に閃いて
いつしか
この錆び付いた男に
ずんじゃかずんじゃかを
させてしまうんだよ



「あーうー」

あーとか
うーとか

あーとか
うーとか以上のなにかを
伝えてる?

目を覗くと
ん?
て顔でまた
あーとか
うーとか
言う
なるほどね
あーとか
うーとか
なんだね
ナルホドね
ナルホドね



「わんわん」

わんわん
わんわん
そうだね猫さんだね

わんわん
わんわん
そうだね馬さんだね

わんわん
わんわん
そうだねお婆さんだね



「こどものミニ詩・三篇」


「ちっち」

とりさんちっちどうするの
ちっちお空なの


「おコタ」

ねえねえ、雨さん
さむそうね
おコタにあたってちょうだいナ


「ちっちでたー」

ちっちでたー
ちっちでたー
ねえねえ
みてみて
ちっちでたー






自由詩 おはよう詩集 Copyright 道草次郎 2021-03-13 08:18:21
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