覆水盆に返らず
六九郎

今日まであっという間だった気がする
母なる大地を旅立ってから
長い道のりを長いあいだかけて歩いてきた

海を渡り
西部を目指し
石油を掘り出した

進出し
征服し
理解し
制御し
利用した

私が前に進むにつれ
世界は少しずつ多様性を失っていくようだ

原子力を利用し
宇宙を目指し
遺伝子を操作した

私の想像力には果てがない
旺盛なフロンティアスピリットも衰えない
何度失敗しようがやってみよう
私は神の高みを目指す

この道はどこへ続くのか
新たなフロンティアか
それとも旅の終わりだろうか
私は引き返さない
このまま行けるところまで行くつもりだ
そこから何が見えるのか
見てみたいから


自由詩 覆水盆に返らず Copyright 六九郎 2021-03-07 15:23:10
notebook Home