春/思う/こと
tonpekep

花が咲き出しますと
わたしの中で
やさしいものたちが
皮膚を透して 蒸発していきます

それはわたしの 遠い方向の片側で
不細工であるけれど
組み立てられていくのです
そこにだけ 微かに 慈愛が形作られている

夕やけの側で 壊れた車輪を
シッダルタの影がからからと廻している
わたしは 待っていなければならないのでした

それは古い意識かもしれません
わたしはすでに肉が削げ 骨だけなのかもしれません
花の下に 散乱する者 であるかもしれません


自由詩 春/思う/こと Copyright tonpekep 2005-04-21 19:40:02
notebook Home