来る春
ひだかたけし

緩やかに
空気が流れる
弥生の宵、
懐かしい匂い
鼻腔を巡り
大気圏から降って来る
息吹く命の源を
ゆっくり静かに呼吸する

 ああ、魂はうっとりと
 息吹く命の香に包まれ
 何処までも何処までも
 広がっていくよな心持ち

季節は巡り
匂い立つ
肉感的な春が来る








自由詩 来る春 Copyright ひだかたけし 2021-03-03 19:35:05
notebook Home 戻る