球体の詩
入間しゅか

きみが静かになるまでに世界はこれだけ収縮しました。
世界と反比例して大きくなったことを恥じることはありませんが、
一個の点、
一個の円、
一個の球、
と等しい力関係をもった一方通行の標識は守りなさい。
世界は無限に円を描く球体です。
私も一個の点であり、球の中にいます。
円によって燃え尽きるまで磨かれる球体。
丸いものほど良く燃えると覚えておきなさい。
あの日約束した詩はかけましたか?
点と円とも交わらない、
球体の外を描くのがきみの夢でしたね。
いつか私ときみが同じ点で交わった時に、
きみの詩を読めることを楽しみにしています。
それではさようなら。
燃え尽きる前にまた会いましょう。


自由詩 球体の詩 Copyright 入間しゅか 2021-03-02 19:11:49
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