衣がえ
末下りょう



小さな手袋に握られた冬は灰 尾を切りさるヤモリのみたしろいろのクモは
闇に裂いた
光の

┼┴


夜露のつきるぎんいろの落雷にからまりしずかに身悶える
サーカス

極度の
しろと影


いま や ぶれ て そっと そと枠から 縦に解けながらうかび
眠りから
さめ


ξ


ζ

花びらに燃え移る吹雪のように 煌めき すべてが駆けつけて 散り 尾のない  
ヤモリの足跡が
夜風に舞う
 


自由詩 衣がえ Copyright 末下りょう 2021-03-02 14:17:40
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