午餐にて
道草次郎

遅れて来た陽射しが
指輪を押しのけ生える指毛を浮彫りにする
その時
かれのこよなく愛するミディアムトマトは
その緑な蔕のお地蔵さんである

キッチンと呼称される島嶼には
ウミユリの夢や仄かな鉱脈もある
咀嚼は明白な進化だ
だが
論理を滑落することもまた甘美かも知れない

春それはアルマゲドン
人新世の脈絡でものを言ってはいけない
けれど
それを帰結というより他ないのもまた
閑かなオゾンの謳だろうか


自由詩 午餐にて Copyright 道草次郎 2021-02-24 15:47:40
notebook Home