6号線を下って-日立の海で砂を蹴りながら
Giovanni

僕 は
僕 僕 僕 は

季節外れの海浜で
生成色の薄ら湿った砂を
ざんざん と蹴りながら
ただ独り言ちた

午前10時の 日立の海
青白く続く空の果ては
限りなく力ない空虚
ここでは
微かな呟きさえが
泡のように
溶け消えてしまう

いつしか
ひとりしずか に
ひたすら歩いた

僕 は
僕 僕 僕 は

生まれながらの卑怯者
ことばの恐怖と そこに潜む
猛り狂う狂喜とを
ただただ捨てたいだけなのだ

叫べれば
どれほど
楽だろうか




























自由詩 6号線を下って-日立の海で砂を蹴りながら Copyright Giovanni 2021-02-23 21:27:25
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