冬の光
atsuchan69

淡く、陽を透かし
青々とした木々の葉は
いつしか紅く染まり、やがて枯れ

樹幹のヒューと鳴る大風の夜に
どの葉も忽ち飛ばされて
そのさまは見るとも寒々しく、
誰もが、この世界の無常を悟った

そして雪が梢を項垂らせ、
柔らかな冬の光が、
かよわく雪を弾くと
幼い黄緑の芽がそこにあった

故郷の大地に
曇天の隙間から射した光芒が、
嬉しい兆しを照らしている

春だ、
小鳥たちの声が届く









自由詩 冬の光 Copyright atsuchan69 2021-02-23 11:57:03
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