黒田康之

瀧の音がする

雪解けだろうか
それとも
凍りついた瀧の裏側が動き始めたのだろうか

いずれにしても
寒い冬にあるとき
人はあたたかな春を待つ
つまりはこの瀧の音が
春を招き 冬を追いやることを切望する。

人は常に
渇望と呪いを同時に抱く。


自由詩Copyright 黒田康之 2021-02-23 00:18:28
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