セピア
道草次郎

早熟ではなかった

むしろ遅かった

休み時間のサッカーが大好きで

本はジャンプだった

十四の時に初めて詩を書いた

校庭の桜がこわくて仕方なかったから

寝袋は買ったが

けっきょく使えなかった

みんな次々に砂場を卒業していった

気付いたら一人ぼっちだった

今でも行けない場所がある

そして

会えない人がいる


自由詩 セピア Copyright 道草次郎 2021-02-19 01:31:00
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