らくだの途中
秋也

嫌われ者の死体
ヤクザ者と屑屋が酒を飲む
長屋にて
「人間やればできる」
屍のかんかん踊りの後
酒が沁みる

らくだは笑わない
らくだはふぐの毒に中って確かに死んだのだから
本当の本当

なぞらえたように
酒が進み

漬物屋の樽は返さないでよい
嫌われ者をすっぽり

落語は業であり
人生は業と出会う丁半博打
「みんないなくなった」歯抜けの泣き笑い

最期は必ず負けるから
「人は死んでも仏じゃない」
ずっとくだるくだらねえで生きて泥まみれの負け酒まみれ

頭から血が出て蛙を買わされる
「できねえ、できないね、できねえよ」

続きは逝っちまった好きな落語家にやってもらおう
「兄貴頼むわ」
笑えねえところで笑うなよ、怒られるから。

「あとはお前がやれ」



自由詩 らくだの途中 Copyright 秋也 2021-02-15 18:21:15
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