らくだの途中
秋也
嫌われ者の死体
ヤクザ者と屑屋が酒を飲む
長屋にて
「人間やればできる」
屍のかんかん踊りの後
酒が沁みる
らくだは笑わない
らくだはふぐの毒に中って確かに死んだのだから
本当の本当
なぞらえたように
酒が進み
漬物屋の樽は返さないでよい
嫌われ者をすっぽり
落語は業であり
人生は業と出会う丁半博打
「みんないなくなった」歯抜けの泣き笑い
最期は必ず負けるから
「人は死んでも仏じゃない」
ずっとくだるくだらねえで生きて泥まみれの負け酒まみれ
頭から血が出て蛙を買わされる
「できねえ、できないね、できねえよ」
続きは逝っちまった好きな落語家にやってもらおう
「兄貴頼むわ」
笑えねえところで笑うなよ、怒られるから。
「あとはお前がやれ」