コーラのちコーヒー、所によりクリームソーダ
末下りょう


観葉植物を真似るクリームソーダが
夕焼けに溶けていく
散々

カフェインに浸れた
町角で
段々
赤い花を咲かせた
砂漠の
あるいは密林の植物がひけらかす
肉厚な葉のように
クリームソーダ色に変色した舌で
食いちぎられた
黄昏から
降りだす夜に  気の抜けた「そうだ」を
窓際のテーブルに溢れさせ
コーラの王冠がそこらじゅうに
ひしゃげてころがる
町角で
たった
二人だった
あらゆる影を
黄金のアロワナのように
いつかの朝へと放流する

真っ赤なチェリーの種と柄と8ミリの吸い殻が
灰皿のなかで
二人の捨て台詞を模倣して



自由詩 コーラのちコーヒー、所によりクリームソーダ Copyright 末下りょう 2021-02-14 11:53:09
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