心に闇を抱えてる人は
こたきひろし

心に闇を抱えてる人は多々いるに違いありません
と言うより何らかの闇を抱えてない人は存在しないと言い直すべきでしょう

心に闇が存在するのなら闇を照らす光 光に相当する明かりが存在していると考えて差し支えないでしょうね
人の性格の明暗はその光源の量と質によるものだとあたしは想像しています

ネガティブに生きてしまうかポジティブに生きられるかはその光源しだいであるに違いないと思うな

と言うような事を彼女は口にした
私はそんな話しをぼんやりと聞いていた
それは片方の耳から入り片方の耳から抜けてしまったので 実質は何も聞いてなかったと等しかった

 kさんはどう思いますか?
彼女に質問されたけど私は何も答えられなかった
 ごめん 考え事をしていてほとんど聞いていなかった
彼女は不満気な顔つきをして私の方を見た
すると彼女が聞いてきた
 考え事って?何を考えてたんですか?
 それは言えない 言ったら君は私を軽蔑するに決まってるから
私は答えを出さなかった
 あたしが軽蔑するような事ってどんなことかしら?聞いてもkさんの事軽蔑したりしないから是非知りた
 いですね
言いながら彼女は興味津々な目をさせた 私は彼女の言葉を信じる訳にはいかなかった きっと聞いたら彼女は豹変し怒りに任せてその場を立ち去ってしまうに違いないと怖れた
 安心して下さい あたしはKさんが何を言っても冷静に対応させて頂きますから
その言葉におされて私は口を開いた 
 問題は 君が美人でかつ飽満な肉体の持ち主だと言う事なんだよ 私は冷静にしていられないんだ 私の
 私の欲望が剥き出しになってくるんだよ 何とか理性で抑えてはいるけれど 直ぐにも堤防が決壊しかね 
 ないんだよ 分かるだろ こんな暗い夜に大人の男が大人のおんなと二人きりにされたら それも人並み
 以上に魅力的な君と二人きりにされたらキケンだって事を
すると彼女は慌てた様子を見せながら言った

 すみません あたし急用思い出しました 途中ですがこれで失礼させて頂きますから
立ち去ろうとする彼女を止めて私は聞いた
 急用って?
すると彼女はおくする事なく言った
 あたしはあたしの 男のそばに帰りますから

 Kさんには何があってもよろめいたりはしませんから




自由詩 心に闇を抱えてる人は Copyright こたきひろし 2021-02-13 18:34:07
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