消されずに(生き残れず)
完食

唇は荒れたまま

ただ、息漏らし

一人、部屋の中


聞こえるものは己の心臓

見えるものは夜映す窓

触れるものは孤独の闇

吸うものは有り触れた酸素

握るものは遠い薄い絆

誓うものは君との約束


もう何も失うものなんてない

欲しいものもあまり多くない


心音が響く孤独の中

息をし星を見て

君を待ち、戻らない絆


涙さえ(流れずに)

消えてゆく(闇の中)

戻らない(なつかしい)

夏の日々(君を失いかけている)


死んだ目で君の姿を思い出し

荒れた唇で君の名を呼ぶ


もう君が来ないことは知っているはずなのに

君以外、僕は求めることが出来ない


このまま(何も出来ず)

消えていく(涙と共に)


自由詩 消されずに(生き残れず) Copyright 完食 2005-04-20 22:29:16
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