更けゆく夜の魚へ
道草次郎
人をきずつけ
傷つけたくせに傷付いて
そんなことをかんがえて
夜はまだ更けもしない
とりかえしのつかない
いったいどれだけ多くの
星が空にまたたけば
星座の
焉
(
おわ
)
りは来るのだろう
おしゃべりな熊たちは皆
めいめいの島へ戻り
それぞれにちがった
けれどもどこか似ている
筏をつくっている筈
ひとりである事が
だれにとってもの何かならいい
支流となり頬ずりする時間
テクテクと歩いてゆく
薺
(
なずな
)
のようなてくてくの道
自由詩
更けゆく夜の魚へ
Copyright
道草次郎
2021-02-07 23:26:56