Interlude
かとり
町並みに森の匂いがした。
公園を三つ。階段を二つ。知っているパン屋の匂い。スーパー。雑貨屋。ともだちの家。
学校を見下ろす長い坂道を下った。
社を通り過ぎて、実家を通り過ぎて、足は、足を、通り過ぎて。
森の匂い、水と土の匂い、朽ちたものの、匂い。
これも、よく知っている匂いだ。
近くから眺めると、森は、醜いが、
もっと、もっと、近づく。
もっと。
自由詩
Interlude
Copyright
かとり
2021-02-03 02:17:40